一般的に知られる「部分入れ歯」には、欠損部の粘膜に維持を求めるだけでなく、残っている歯にも維持を求める金属の装置(輪のような金具:バネ)があります。欠点としては、残っている歯の負担が大きくなりやすい点です。 下の写真にある「入れ歯」には、その金具がありません。 |
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比較的丈夫な歯に対して行う金具のない「入れ歯」です。維持力も強く、保険の「入れ歯」のように簡単に舌で持ち上がるようなこともありません。そうかといって、「入れ歯」を外しにくいわけではなく、「入れ歯」のくぼみに指をかければ取り外しは簡単です。 ただし、症例によっては禁忌症もあります。 |
*「入れ歯は、入れたら終わり」というものではありません。せっかく良い入れ歯をご装着なさっても、メンテナンスを怠れば、遅かれ早かれ不都合は生じてくるものと考えてください。「入れ歯」を長持ちさせるには、患者さんと歯科医師が二人三脚でメンテナンスを行っていくことが重要です。 |
通常、保険治療で作製する「入れ歯」で適用されています。保険治療のレジン床「入れ歯」は、樹脂の中に細かな気泡が入っており、強度は強くありません。 自由診療においても、特に「総入れ歯」ではレジン床「入れ歯」を作製することがあります。当院のレジン床「入れ歯」は、精巧な作業(イボカップ法、イントプレス法)により、気泡が少なく、なおかつ強度もある「入れ歯」を作製しています。 |
「入れ歯」全体の5〜7割を金属フレームで作られているため、厚みを自由に変え、最小限の厚みで十分な強度を保つことができます。種類として、チタン、白金加金等を使用します。特に「部分入れ歯」で用いることが多くなりますが、「総入れ歯」にも用います。 また、特殊な「入れ歯」となる「コーヌスクローネ」や、「リーゲルテレスコープ」にも金属フレームが使用されます。 |
歯が全く無い状態のタイプに装着する「入れ歯」です。 歯が無いため、「入れ歯」の維持、安定を図るためにはかなりの技術を必要とします。高齢の方になる程、「総入れ歯」になっている方が増えてきます。「良く咬めない」「すぐに外れる」「もう諦めた」とよく言われるのが、「総入れ歯」です。 |
1本でも歯が残っている方が対象となります。残っている歯の状況を精査の上、「入れ歯」の設計が必要になります。時には、残っている歯が、「部分入れ歯」を作る時に障害となる場合もあるからです。歯周病や虫歯・「咬み合わせ」など色々な観点から検査をし、最善の処置と治療法をお示しいたします。 「部分入れ歯」も、「良く咬めない」「違和感が強くて装着できない」「残っている歯が弱ってきた」など、様々な悩みを抱えていらっしゃる方が多いのが実情です。 お口の中の状況に応じて、「部分入れ歯」の設計や仕様も多様化しています。 |
金属のバネ等それぞれのパーツが分かれており、ピンク色の樹脂の部分に埋め込んで、つながっているだけの「入れ歯」です。弱い構造体であることがわかります。 保険治療で用いられるこの樹脂は、成形する時に細かな気泡が入りやすいので、強度も弱く、また変形率が高いことでも知られています。結果的に、「入れ歯」の破折が生じやすくなります。 奥歯には、体重以上の「咬む力」が掛かると言われています。咬んだ時に樹脂の部分がたわむので、バネの掛かる歯を揺らして歯の寿命を短くすることもあります。 「価格が安い」という点はメリットとして挙げられるかもしれませんが、最低限の保障という点で、その分原価も低く抑えるため、「入れ歯」の素材を選択する自由度もありません。 |
「入れ歯」全体の5〜7割が金属フレームで作られています。それぞれのパーツが分離しておらず、金属フレームは一体化したものとして作製されます。それ故、最小限の厚みで十分な強度を備えることができるので、異物感が少なくなります。 また、残っている歯に掛かる負担を軽減するよう、維持装置の設計に自由度が利くのも特徴です。 ピンクの樹脂の部分も、保険診療の物とは異なり、変形率の少ない精巧な作業によって気泡が少なく、なお且つ強度を保つものとなっています。 ただし、金属の装置が掛かっている歯には、(保険の「入れ歯」より負担は軽減されるとはいえ)多少なりとも負担は生じます。「かみ合わせ」で、その負担を最小限にすることは可能ですが、メンテナンスは必要です。 |
*金属床であれ、特殊な「入れ歯」のテレスコープであれ、装着した後のメンテナンスは非常に重要です。「入れ歯」を長持ちさせるコツは、メンテナンスにあるのです。 |